第30話
時間が止まったのかと思った。
いや、夢の時間だけは止まっていたのかもしれない。
お互い驚いた顔のままその場で固まっていたが、先に動いたのは奈月だった。
「へぇー、先輩もこういうとこ来るんですね!」
いつも通りの笑顔になって階段を掛け降りてくる。
彼も仕事帰りらしく、スーツにタブレット端末を入れたバッグを提げたままだった。
夢はその光景をさっきと同じく口を開けたまま目だけで追っていた。
なぜ、も、どうして、も考えられず、頭の中は真っ白だった。
オタクなのがバレてショックだったのだと思う。
「先輩は何買いに来たんですか?」
階段を降りきって近くまで来た奈月が、固まった夢を覗き込む。
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