第30話

ピンポーン


夏休みが始まり数日が経った頃、来客者が現れた。私は2階の部屋にいたので、少し下を覗かせることにした。



「あのー、お邪魔しまーす」


「あら、誠さん!いらっしゃい」


「こんにちは、花さん。入っても大丈夫,ですか?」


「ええ、もちろん。さ、どうぞ」



あぁ、誠さんか。香に教えてあげよ。



コンコンッ

「入っていい?」


「うん、いいよ」


「誠さんが来たみたい、下に行く?」


「あ、うん。今行くからちょっと待ってて」


「うん。ここにいるね」




「おはようございます。誠さん」


「あぁ、千夏ちゃん。おはよう」


「どうも」


「香くんも。高校生かぁ、いやぁ、懐かしいなぁ」



香はあんまり誠さんのことが好きじゃないみたい。なんだか、昔に喧嘩をしたみたいで、聞くに聞けない。



「あ、そうそう。最近作った新作のチョコレートが人気なんだ。よければ食べてね」


「はい、ありがとうございます」



へぇ、人気のチョコレートか、あ、でも私アーモンド食べれないや。



「はい、香」


「え?、、、あぁ、うん、ありがとう」


「あれ、千夏ちゃん。チョコ嫌いだった?」


「い、いや、嫌いじゃないんですけど、ちょっと」


「まぁ、気が向いたら食べてよ」


「そ,れはちょっとなんとも言えないです」


「そうなの?」


「、、、はい」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る