俺のスキルがセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
第1話 追放されそうな愛の剣士
「それって、どういうことだ?そもそも俺がスキル名を決めたわけじゃないし、使わなければ済む話だろ?」
「いや、アレン。私たちは……あなたのそのスキルが私たちに与える影響について教えて欲しいのよ。特に、あなたのスキル『性行為』の発動条件についてね」
「俺はこのスキルを使うつもりはないが、なぜ聞く?」
「アレンのそのスキル発動が女性との関係に依存するんじゃないかって気になるの。それに、アレンが私たち女性のことをどう見てるかも気になる」
アレンは返答に困り、額に手を当てる。
「うーん……女性の前で説明するのはちょっと気が引けるよな。俺だって、使うつもりなんてないし、これからも使わないさ、聞く必要ないだろ?」
「いいえ、説明して。そのスキルの内容、私たちには知っておく必要があるの」
「じゃあ…ちょっと恥ずかしいけど説明するよ。俺のスキル『性行為』は、女性の『愛』を取り込む性質があって、女性に体を見せてもらったり触らせてもらったりして、俺がその愛の刺激を受け取って、スキルが発動するんだ」
その言葉に、イリスの目が鋭くなった。
「やっぱり……いかがわしいものだったのね。 女性の体を触る? 見せてもらう? それが私たちの心の負担になっていくことに気づかないの? 私たちは戦いに集中したいのに、あんたのスキルがその……妙な条件を求めるから、気が散るのよ」
他のメンバーも頷き、特に炎の使い手セリーナが
「アレン、はっきり言うわ! あなたのスキルのせいで私たちは色々と気を遣う羽目になってるのよ。どれだけ戦いに集中しようとしても、あんたのその愛の力だとか何とかって、私たちに不快感を与えるのよ」
「そうだ、アレンさん。あなたのスキルの存在そのものが、私たちの絆を壊しているように感じるんです」
フィオナも控えめに付け加えた。
アレンは絶句し、視線を落とした。アレンは今まで、自分が仲間に迷惑をかけているとは思っていなかった。しかし、アレンのスキル名が女性たちにとって精神的な負担となっていることを知り、初めて深く反省した。
「分かった……なら、俺はこのスキルが使えなくするように努力するよ、ずっと使っていなければ、そのうちステータス画面から消えるはずだ。俺は攻撃力は強いから、スキルに頼らなくてもこのパーティを守れるはずだ」
だが、イリスはそれでも首を横に振った。
「そのスキルが今すぐなくならない限り、私たちの関係もいずれ崩れちゃうかもしれないわ。それに……本当に女性からの性の刺激が必要なら、実際にそういうことまでしなきゃいけないんじゃない?」
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