第20話

「まだなにかあるの?」



親しくもないから、私は愛想さえ振りまけなかった。



「まだ話は終わってないもの!」


「…そう」



私は髪をいじりながら彼女たちに近づいた。


そして、彼女たちに告げた。



「私はこれからもののと帰るの。文句があるなら正々堂々言ってね。陰でコソコソとかなしだからね。…あと、その文句は私しか受け付けないから、ののには言わないでね。じゃあね」


「あ、ちょっと!」



私はそれだけ言って、昇降口に向かった。


未だに慣れない重いランドセルは中身を揺らしながら私の背に乗っていた。

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