第18話

でも、ののにだって休む日くらいあった。


1年生の冬休みが近づく頃。

ののは、風邪をひいて学校を休んでいた。


今日は1人だなぁ。なんて考えていた。


休憩時間トイレに行って教室に戻ろうと思った時、目の前に女の子グループが来た。


その子たちは、私の行手を阻んできた。



「…なに?」


「ちょっと話があるの!」



そう言って話すのは、あの時のツインテールの子。



「もう授業始まるよ」


「すぐ終わるから!」


「…いいよ」



そんな強引な彼女たちの話を聞くことにした。



そして,またトイレに逆戻りとなった。



「百合愛ちゃんって、一くんのなんなの?私、一くんと一緒に帰りたいんだけど!」


「…でも、ののと約束してるの」


「少しくらい私に譲って!」


「…」



そんなことを言われても困る私は何も言わずに立ち尽くしていた。

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