爽に言いたいことを言えたのでスッキリした私は教室に戻った。

「あの、新田さん」

「なに？」

「兄さんは、あなたのことが好きなんです。…でも新田さんには、紫陽花総長の三河さんがいます。正直俺は兄さんがあなたに手を出そうとしていることに反対です」

「うん」

「それだけならまだなんとかなりました。でも、眞峰さんもまた、三河さんを好きになっているんです。だからうちの総長が作戦を練ったんです」

「作戦？」

「新田さんと兄さん。眞峰さんと三河さんをくっつけるという。なんとも強引な作戦です」

「…」

「きっとまずは新田さんと三河さんを引き剥がそうとするでしょう」

「…気になるんだけどさ。なんでなんであなたがそれを言うの？あなたのチームの作戦でしょ？私にとっては知れて嬉しいけど、あなたは教えて…困るんじゃないの？」

「この作戦が実行された時の方が困ります。総長はきっと、どこかのチームと組んで紫陽花を潰しにきます。その時にきっと条件付きで戦いに来ることでしょう」

「‥条件ね」

「はい。勝てばなんでも言うことを聞く、とでも言ってくるでしょう。そして、勝ち、おふたりを別れさせる。そうすれば、紫陽花は従うしかない」

「ふーん」

「俺は、総長に逆らえるほど強くないです。だから止められない。…これを知った新田さんなら止められたりしませんか？」

「…うーん」

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