第27話

「眞峰、部屋にお菓子が置いてあるから食べておいで」


「うん。ありがとう」



眞峰さんは、永途さんにお顔を向けてから部屋に向かっていった。



「居間で話そうか」


「はい」


「…」



それにしても兄さんはどうしたんだろうか。さっきから様子が変だ。



「それで?」


「…俺たちが入学した高校に紫陽花の奴がいたんです」


「…紫陽花、ね」


「…はい」


「どいつ?」


「多分…総長かと」


「三河さんなの…?はぁ〜そっか、、、」



あの高校に眞峰さんを入学させたのは、俺たちみたいな人間について少しでも知って欲しいという理由だそう。


それはそれでいいのかもしれないけれど、あの人が入学とか聞いてない。


本当に非常事態な気がする。



「…なにかあったら教えて」


「はい」


「…」


「…それより隆二はどうしたの?だんまりだよ。珍しい」


「…」


「俺にもわからないんですけど…」


「…おーい。隆二〜」



永途さんが兄さんの前で手を叩くと目をパチパチさせている。



「わかった」


「え。なにが?なにがわかったの?」



永途さんも驚いている。

もちろん俺も。

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