第24話
「…離して?」
「なんで?こっちの車に乗せればいいでしょ?」
「…」
離されない手首。
そのままに車に乗って爽が乗り込むのを待つしかなかった。
「…」
「ねぇ?俺には隠せないってわかってるんだから、教えて?や
「…この高校選んで、私は浮かれてたの。…でも爽が嫌だって言ってたのに。変えなかった」
「そうだね。それで?」
「別に爽に嫌な思いしてもらうためにここに来たわけじゃないのになって…」
「ふふっ。萌は可愛いね?俺のことよくわかってるね?さすが彼女」
「…」
「そうだなぁ。なにで埋め合わせてもらおうかなぁ」
「…」
やっぱりこうなる、よね。
でもしょうがない。
「じゃあ、その赤いピアス片方ちょうだい?」
「…ピアス?」
「うん。ちょうだい」
「…はい」
そっと爽の手のひらに置いた。
するとやっと離された手首。
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