第23話

「え」



美那の家を出て、自分の家に向かっている時のこと。


目の前にはあの時の黒い車と黒髪にサングラスの源凛さん。



「あー、いたいた」


「え?」


「あれー、忘れちゃった?」


「いや、覚えてますけど、、、なんでいるんですか」


「コーム、返しに来たんだよ?」


「それもそうですけど、なんで私のこと見つけられたんですか」


「あー。まぁ?少し頑張って?」


「なに言ってるんですか」



意外とやばい人、なのでは?



「まぁ、はい。とりあえずありがとう。ってことで返すね」


「あ、はい。どういたしまして」


「ねね。これから一緒に遊ばない?」


「え。お断りしておきます」


「えー、なんで?」


「、、、逆になんで私が凛さんと遊ばなくちゃいけないんですか」


「あっ。俺の名前呼んでくれたー。うれしーなー」


「、、、そうですか」


「ねね、君はなんていうの?」


「え」



「名前は?」



圧をかけないでほしい。なんでこうも有無なんて存在させないようにできるんだろう。


あの時の目は、見間違えなんかじゃない気がする。

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