第28話

朝になっちゃった。あの夢が本当になるなら、絶望でしかない。どうしよう。どうしたらいいの。


「恵梨、おはよう」


「、、、」


「恵梨?」


ひんやりした衣千夜の手が私の頬に触れた。いや、冷たいのは私の涙。彼の手はあったかい。



「どうしたの?恵梨。泣いてるよ」



今にも泣きそうな顔と声で衣千夜が話す。なんで衣千夜ざ泣きそうなのよ。まったく、



「ごめん、泣いてた、みたい」


「嫌な夢を見たんだよね。大丈夫。大丈夫」


「、、、うん」



どうにかなるかなんてわかんない。わかんないけど、今の私が安心しているのは確かだった。



どうしようか、考えなくてはいけない。でもやはり、解決策はそう簡単には思いつかない。

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