第35話

玄関のインターホンなど、押すことなく、扉を蹴り飛ばす。


少し鈍っただろうか。膝が少し痛む。



「おい、なんだ!?」



奥の方から慌てて出てきた奴は俺を見るなり奥へと急いで行った。


その顔…僕のことが誰かわかってることだよね?


なんて思い少し笑うと橋本が心配そうに声をかける。



「だ、大丈夫すか」


「…大丈夫だよ。心配いらない。橋本は車で待っててよ。長野はついてきて」


「「はい!」」



そしてさっきの奴が行った奥の部屋へと足を進めた。

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