権力者

第20話

朝の7時半頃に家のチャイムは鳴った。



私はインターホンから彼が来たことを確認し、家を出た。



「行ってきます」



家の奥から“行ってらっしゃーい”という母の声が聞こえた。


私は足早に靴を履き、彼のところへと向かった。



「おはようございます」


「あ、おはようございます」



助手席に座っていた男性は外に出て、後部座席の扉を開けてくれた。



「おはよ」


「おはよう、良真」



中に入れば、目の前に彼がいた。まだ眠そうに目を擦っている。



「それでは出発致します」



私がシートベルトを着用したのを確認すると車を走らせた。

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