第16話

そうして連れられた彼の部屋。



大きなモニターが6つほど。そして大きめのベッド。本棚。テーブル。椅子。エアコン。冷蔵庫。ソファ。テレビ。姿見など、様々なものがあり子供部屋にしてはとても大きい。さすがお金持ち、なんて思っていると彼が言葉を発した。



「少し、家族紹介をするよ」


「う、うん」


「義母のまり。あの人は俺が幼稚園生の頃に父親と結婚した。そして僕は次男。長男は兄の海戸(かいと)。ね、先輩。結婚したら早くこの家出てこうね?」


「えっ」


「大丈夫。生活に問題はないよ」


「きゅ、急になに言うの」


「義母も父親も兄も僕は嫌いだからね」


「え…?」


「あいつら、いつも俺を支配したがる。まぁ、それもそうなんだけどさ?でも僕は言いなりになんてなる気はさらさらない。僕はやりたいことをやるだけ」


「苦労、してるんだね」


「まぁね」



なんて、お互いの話をしていれば部屋をノックされた。

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