第13話
見下ろされる彼女に向けられる視線は私に向けられた資産よりも、彼を怒鳴っていた彼女に向けられた視線よりも冷たく重いものに見えた。
隣で見ているからこのくらいで済んでいるのかもしれないと思うとゾッとする。
「…お前はいつまでここいるの?僕はお前と一緒にいたいなんて望んでないよ。あ、でも後で天罰下しに行くから」
「い、いやっ!!」
そうして彼女は家政婦さんたちに先ほど出てきた部屋ではなくそばにあった階段から下へと連れて行かれて行った。
「えっ」
「大丈夫だよ。先輩。ごめんね。あんな酷いこと言われて、傷ついたよね?大丈夫。僕に任せてね」
「い、いや。私は大丈夫だけど…」
「そう?なら良かった。それじゃあ行こうか」
と、すぐ右に曲がったところにある扉を開こうとしたところで彼は思い出したかのように家政婦さんたちに「あの女がいた部屋、片付けておいて」なんて言って、扉を開いた。
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