第6話元婚約者君

禁忌の森での絶頂事件から初めての学校である。


私の朝は早くて木刀で素振りしてお風呂に入って、朝ごはんを作ったりしていた。


今日からは、このルーティンに15分間既に森で絶頂が追加される…。


この短い時間で一週間以上分の快感を得られるのだから効率的なのだ。


学校に着くと普段より男子達が早く登校していた。


理由は簡単だ。来月は、中学生最後のクリスマスになるので男子達が女子にアピールするためだ。


関係ない話でも盛り上げようとする頑張りに前世の男であったためか、なんとなく応援したくなった。


「みんな、おはよ~!」


「「おはよう」」


男女共に挨拶が返ってきた。


多くの男子生徒が私の顔と胸、お尻等を見てきた。


前世でも見ていた気がするので、あまり怒る気にもならない。


魅力的に見られてると思うと嬉しくなるので、もっと見て欲しいものだ。


なんか、普通とは違う視線を感じたのでチラッと見てみると昔父が約束したとか言っていた婚約者の中川君が私をねっとり見ていた。


少し不気味に感じた私は直ぐに目を逸らした。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


俺、中川天斗の学校にはとんでもなくモテる女の子がいる。


 容姿端麗で成績優秀、おまけに運動もかなり得意で、誰にでも分け隔てなく優しい言わば女神のような存在である。


 そして今、綺麗に手入れされた黒髪たなびかせながら教室に入ってきたのが、元婚約者の天笠姫香だ。学校で一番人気の女神様である。


 透き通るような黒の髪に、澄んだ紫の瞳で、肌も白い。愛らしい欠点と言えば、少し貧乳なことであったが、一目で見てわかる程に引き締まっている身体は素晴らしい。これは確かに同じ人間だとは思えないのもうなずける。


昔はよく一緒に遊んだし、なんならお風呂に入ったことだってある。


「姫香さん、よろしければ今日、放課後僕と遊びに行きませんか?」


「受験勉強あるから無理かなぁ~ごめんね!」


「そうだよ男子!姫香ちゃんは私たちと約束があるんだから」


「そうそう」


こんな風に、彼女はとにかくモテるのだ。


俺は小学生の時から姫香のことが好きだった。


婚約者になる前から好きだったんだ。


あんなに可愛い子とずっと一緒にいたんだ。


好きにならない方が難しいだろう。


でも、自分に自信のない俺は、なかなか好きと伝えることができずに、うじうじしている間に彼女との差は開く一方だった。


俺には呪力の才がない、だから婚約は破棄されたと言われていた。


呪力のない人間が呪力を手にする方法は簡単だ。


俺が悪魔と契約すればいい。


今は手ごろな悪魔を探している段階だから、勝負は高校に入った以降だ。


待ってろよ、姫香。その身体と心は俺の物だ!

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