俺の世界は、何があるの？

第18話 ひとりでいる時間の贅沢

ひとりでいる時間には、独特の静けさと贅沢がある。日々の生活の中で、誰かと一緒にいることが多いと、どうしても気を張り詰めたり、他人のペースに合わせたりすることが必要になる。けれども、ひとりきりの時間は、そんな緊張から解放され、自分自身と向き合える大切な時間だ。

ひとりでいるとき、私は本当に好きなことをできる自由を感じる。例えば、気ままに本を読んだり、思いついたままにノートに考えを綴ったり、音楽を聴きながらぼんやりと過ごしたり――すべてが自分のペースで進んでいく。この誰にも邪魔されない自由は、まるで心を包み込むやわらかな毛布のようで、少しずつ自分をリセットさせてくれる。

このひとりの時間が、私にとっては心のエネルギーを充電するひとときでもある。外の世界での喧騒や人間関係の疲れを癒し、自分を取り戻すための大切なプロセスだ。誰かに気を遣うことも、遠慮することもないこの時間は、自分の内側に深く浸り、心の中のざわめきをそっと整理する時間でもある。

時には「寂しくないの？」と聞かれることがあるけれど、私にとってはむしろひとりでいる時間の方が心地よいと感じることが多い。他人と一緒にいるときの楽しさや充実感ももちろんあるが、ひとりでいるときの静かな満足感は、また別のものだ。自分だけの空間に身を置き、自分だけの時間を楽しむことは、他人には計り知れない贅沢なのだと思う。

ひとりでいる時間の中で、時には自分の悩みや不安が浮かんでくることもある。けれども、その静けさの中でこそ、それらの思いをしっかりと見つめ、ゆっくりと向き合うことができる。心の中のノイズが消え、自分の本当の気持ちが見えてくるのは、まさにこのひとりの時間だからこそだ。

自分と過ごす時間を愛し、そこに豊かさを見出すことができるようになると、少しずつ「孤独」という言葉に対する考え方も変わってきた。孤独は決して寂しいものではなく、むしろ心が落ち着き、深い充足感に満たされる時間だと感じられるようになったのだ。

これからもひとりでいる時間を大切にし、そこに自分の居場所を見つけていきたい。その静かな贅沢の中で、私はまた新しい自分を発見し、心を整えながら、前へ進む力を少しずつ蓄えていけるようにしたいと思う。