前のエピソード――第15話　「ここにいていい」と思える場所

「変わりたい」という気持ちは、誰もが一度は抱くものだと思う。私も何度もその気持ちに突き動かされ、自分を少しでも前向きな方向へ変えたいと願ってきた。特に、日常で感じる小さな不安や孤独、周りとのズレを少しでも軽くしたいと思うたびに、「変われたら楽になるのに」と心の中でつぶやくことがある。

ただ、「変わりたい」と願うことは簡単でも、実際に変わることはとても難しいと感じる。新しいことに挑戦しようとすると、過去の失敗や自分の弱さが頭をよぎり、何かが引っかかるように足を止めてしまうのだ。周りの人はもっと簡単に変わっているように見えるのに、自分だけがその一歩を踏み出せず、同じ場所に留まっているように感じることもある。

それでも、少しずつでも自分を変えたいという気持ちは消えない。たとえば、毎日の生活の中で小さな習慣を増やしてみる。散歩をしたり、好きな本を読んだり、新しいレシピに挑戦してみたりすることで、少しだけ自分が前向きになれるように工夫している。大きな変化は望まなくても、ほんの小さな変化を積み重ねることで、自分が少しずつ変わっていけると信じている。

変わることは、必ずしも大きな変革を意味するわけではない。自分に合ったペースで、無理をせず、自分らしい変化を見つけていくことも大切だと感じるようになった。他人と比べるのではなく、今の自分が少しだけ前に進めたかどうかを大切にすることで、自己嫌悪や焦りから解放されることがある。

実際、「変わりたい」という気持ちは、変わることができる可能性の証だと思う。もしも自分に変わりたいと願う気持ちがあるなら、それは未来に希望を持っている証拠だ。過去の自分に囚われずに、少しずつ前向きに変わっていけるという信じる気持ちが、自分を支える力になってくれる。

変わることは、すぐに結果が見えるものではないし、時には失敗もあるだろう。でも、どんな小さな変化でも自分にとっては大きな一歩だと思う。これからも少しずつ、自分らしい変化を積み重ねていきたい。そうすることで、いつか「変わりたい」という願いが叶い、今よりも少しだけ軽やかに生きられる日が来るかもしれないと信じている。