田舎者語り

羽弦トリス

第1話24年前

24年前の21歳の時に、鹿児島から名古屋へ出てきた。

大いなる田舎の名古屋でも、鹿児島の僕からすれば、大都市てあった。

財布に3万円とバック1つで出てきて、女の子の家に転がりこんだ。

アルバイトをして金を貯めて、1ヶ月後には賃貸マンションを借りて住むようになった。

良く、3万円で出てきたなと自分にびっくりする。

今なら怖くて出来ない。


23歳で団体職員として働く。

26歳で彼女と別れた。

28歳で出会った彼女と結婚した。1年後、子供が出来た。

3万円でてきて、結婚して家族を持った。

すべてが奇跡の連続だった。

その子供も来年高校生。今は別居している。8年前に嫁さんから悪いけど一人暮らし出来る?と言われて渋々、一人暮らし始めたのだ。

養育費は渡している。だが、今月から渡さない。

こっちだって、生活費がかかる。

そう、僕も甘くは無い。

田舎者は田舎者の女と結婚すれば良かった。

ま、これが僕が名古屋に出てきた話しである。

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