第38話

「「「ありがとうございました!」」」




稽古を始めて1週間。一人ひとりの弱点や強みを大体把握する事ができた。



そして、何よりも輝神のメンバーの仲が深まった。

最初はあんなにも俺を警戒していたのに今は慕ってくれる。



幹部たちに対しても敬語を使い、積極的に関わろうとしてくれる。




「飛鳥さん!俺、強くなりたいです。

総長の力になりたいです。」



真剣な目で訴えかけてくる。



來智への忠誠心や憧れが窺える



「君は充分強いよ。他人のために強くなりたいと思える気持ちがあるだけで強い人間だよ。」




口だけでは何とでも言える。だけど、行動を起こせる人は中々いない。



それに、お世辞抜きで当初に比べたら強くなってる。




「ありがとうございます。俺、あなたの事嫌いだったけど今は尊敬してます。」



・・・正直な子だな。




「そう、俺も君のこと嫌いじゃないよ。真紀くん。」




「俺の名前覚えてくれてるんですね。」




嬉しそうに驚いた顔をする。一応、仲間なんだから名前くらい覚えるよ。



「だいたい覚えてるよ。明日もよろしくね。」



「はい!」



元気よく返事をして仲間のもとへ走っていく。



最初は険悪な雰囲気だったけど関わっていく内にいい奴らだって分かってきた。

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