ログ16 ・・・散る

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暴豚ピグザムは考えた。

度重なる足へのダメージの蓄積で、もはやまともに走ることが出来ない。

同胞達を惨殺し、自身にもこれほどまでにダメージを与えたどもを生かして返す訳にはいかないと。

そして、考えた自身にある武器を。

そして、思いついた。

なら喰ってしまえばいい。

それで、全ての憂いがなくなるなら尚更と。

そう考えた途端ピグザムの口から涎がとまらなくなり、一時的にだが足の痛みも忘れた。


逃がすかと、すかさず咆哮ハウルを放ち暴豚ピグザムは飛び出した!


ただ目の前に転がる


「ブギィィィィィ!」


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広野自治会長を剥がそうとする暴豚ピグザムが、自身の後ろにいて攻めあぐねている広野自治会長に対しに俺はいち早く気が付いた。


次の瞬間、俺は恐怖も痛みも忘れて無意識に走っていた。


その間に暴豚ピグザムの圧し潰しがあり、その風圧で転んだ広野への咆哮ハウルがなされた。


俺は咆哮ハウルにも怯むことなく走り、広野自治会長を救うべく飛んだ!!

「うおぉぉぉ!!!」


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俺が飛ぶと同時に暴豚ピグザムが涎を垂らしながら広野自治会長に喰いついた!!


「ブギィィィィィ!」

「うおぉぉぉ!!!」


ガブリッ


渇いた音が集会所に木霊した。


俺は暴豚ピグザムより1歩先に広野自治会長の身体を掴み、その勢いのままその場を脱出していた。


「はぁはぁ!広野さん大丈夫ですか!!」

俺は抱きかかえダイブした広野自治会長にそう問いながら、よろよろと立ち上がった。

「・・・あぁ済まない。済まない・・・」

広野自治会長から、か細い返事が返ってくる。


か細い声の広野自治会長に違和感を覚え、寝ころんだままの広野自治会長を再度、見て俺は絶句した。


広野自治会長の下半身が存在していなかったからだ。


ひゅー。ヒュー。と空気が漏れ出るような息遣いをしながら広野自治会長は言った。

「君は何も気に病むことはない。わ、ワ、儂は確かに君に救われたんだ。だから、気に病むことはない・・・」


そう言い終えると広野自治会長は吐血をし、もう、その命がことを証明する様に、その目から徐々に光が失われていった。


「ブッフォォォォォォォォォォ!!!!!!!」

勝ち誇った様に雄たけびを上げながら、広野自治会長の足だったものをバギボギと咀嚼する暴豚ピグザム。


俺はそれを見て頭の中が真っ白になり暴豚ピグザムへ特攻しようとした!!


だが、広野自治会長が手を伸ばし俺を引き留めた。

そして、俺の顔を手繰り寄せ消え入る中あることを伝えてきたのだった。


「※※※※さ・せ」

「え?それってどういう・・・」


それを伝え終わるや否や広野自治会長はそのとでも言いたげな表情をしながら逝ってしまった。

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