ログ14 反撃と蹂躙
傾きかけた戦況が、たった二手の行動によって瓦解してしまい、立っている人間は当初の半分もおらず、周りには戦闘不能者が多く転がっていた。
まさに絶望という言葉がピッタリとあてはまる状況だったのだが、1つだけ光明が射した。
それは暴豚ピグザムに先ほどまでのスピード感がないことだ。
これだけの人数を相手にしているので体力も無くなってきたのだろう。
それに加えて先ほどの村崎の前足への一撃がダメージとして残っているようで足を引きずる仕草が見られ動きに精彩さと威力がなくなった。
なので、当初の様にカチ上げや体当たりを喰らっても一撃で死に至るという最悪の事態にまでは発展しずらくはなっていた。
だが、こちらが圧倒的に不利なのは変わっていなかった。
「ピグザムは足を痛めておる!足だ!足を狙うんじゃ!!動きさえ止められれば儂らに勝機はあるっ!!」
自治会長の広野が檄を飛ばす!!
元暴走族の石丸がひしゃげたバリケードを強引にむしり、即席の鉄パイプを作成し特攻した!!
「いい加減にしろよゴラァァァァ!!!」
石丸の鉄パイプは暴豚ピグザムの左前足にクリティカルヒットした!!
先ほどの村崎の攻撃が右足だったのに加え今回は右足をやられた暴豚ピグザムはたまらずに顔面から地面に滑り込むように倒れた!!
「今じゃ!!」
広野の合図に合わせて石丸、五味、透、梨内、村崎、俺、その他動ける5人で各々鉄製スコップや鉄パイプ、角材等で取り囲み四方八方から滅多打ちをした。
「ゴヴァヴァァァァァッァアァア」と痛み藻掻く声を上げる。
これは『イける!!』と思い皆の攻撃に更に力が入る!
そんな折に五味さんの鉄パイプが暴豚ピグザムの右目に吸い込まれ『グチャ』っという音とともに右目を潰した!!
しかし、それが逆鱗であったかのように、暴豚ピグザムにスイッチが入り、倒れ伏していたピグザムは起き上がり、目の前にいた五味さんをカチ上げた!!
五味さんは4mほどフッ飛ばされバリケードの山に突っ込み、そのまま戦闘不能に。
その様子を見て固まってしまった、その他のメンバー5人もブチかましをくらい、そのまま後方のバリケードに突っ込み気絶。
それでも、この機を逃してはならないとばかりに攻撃を続けていた石丸、透、梨内、村崎、俺の5人に対して、またしても
一瞬の硬直が俺たちにうまれ、その瞬間を逃すまいとピグザムは全身を力強く回転させ、俺たち5人を弾き飛ばした!!
そして立ち上がろうとした俺たちの方に勢いをつけ、まるで暴走機関車かと思うほどの勢いで止まることなく次々と俺たち5人を轢いていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます