英雄のタネ ~パラレルワールドは異世界ですか?~
空山羊
ログ0 世界崩壊前夜
ここはとある豪奢な部屋。
その一室に不思議な三面鏡に向き合う1人の男がいた。
なぜ不思議かというと、その三面鏡はガラスが入っているにもかかわらず、映っているのは三面のうち、一面だけだったからだ。
さらに不思議なことに男は鏡の中の自分と話をしていたのだった。
???「あちらでは先週、世界地図からアメリカ、イギリス、ロシアが消えたそうだ。そして、今週に入って中国が・・・日本も、もうもたないそうだ。」
???「そうか。非常に残念だ。」
???「残念だ。ではないだろう!明日は我が身なんだぞ!!私たちは国民をいや世界の人命を守らなければいけない!!わかっているのか!!」
???「わかっているさ。だが、我々は理解していても国民が、いや、全世界の人民がそれを受け入れられるだろうか?」
???「何をそんな悠長なことを言っている!世界は崩壊前夜と言っても過言ではないんだぞ!特に私のところより進んでいる、そちらはまさに今、一歩でも進んでしまえば、そうなるかもしれないんだぞ!わかっているのか!!」
怒気を孕んだ声が豪奢な部屋に響き渡る。
沈黙の流れる部屋に突如”ヴォン”という音が鳴り響き、映っていなかった三面鏡の一面に血だらけの人物が現れた。
???「”ガガッ・・・ピィー・・・ッガ”・・・き、聞こえるか?これが私か・・・”ガガ”さ・・・さい・・・最後の・・・ヤ・・・ラは・・・凶・・・だ!お前・・・ちは・・・た・・・の死を無駄・・・ない・・・くれっ!!世界を守ってく・・・”ガギィィィィィィィーーーーーーー”」
不協和音を奏でたのち”ヴォン”という音が再度鳴り、血みどろの人物が三面鏡から姿を消した。
???「この状況を見てもお前はまだ何もしないと言うのか!!もういい!!私は私の世界をどんな手を使っても、例え汚名を浴びせられ後世にまで語り継がれようと私はやる!世界は英雄を求めている!!!」
”ヴォン”という音を鳴らし、その人物は三面鏡から姿を消した。
自身の姿さえも映っていない三面鏡に向かって男は小さく呟いた。
???「世界崩壊前夜か・・・」
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