〜感情がない最強の殺し屋が異世界転生〜

紫野 葉雪

第1話

俺...『死神しにがみ』は、ボスに頼まれた依頼を終え帰っていた際何者かに追われていた。俺は気付かないふりをしながら、人気のない路地裏に移動した。そして数歩前に移動し俺は後ろを振り返り追われる何者かに話しかけた。


「おい、お前の存在は分かっているぞ。さっさと出てくるといい。...『夜猫よるねこ』」


「えぇー、気づいてたんだぁー?さっすがァー!」


そう言いながら甘い狂気的な声を発する女はコードネーム『夜猫』。彼女は俺と同じ殺し屋組織のNo.2と言われている実力者である。俺と違い、彼女は殺しを楽しんでおり彼女は殺し屋が天職だとよく語っていた。


「あぁ、殺気がダダ漏れだったよ。それもボスの命令か?No.2さんよ?」


「ううんー?これは私がしたいと思ってしたことだよぉー?だってぇ、あんたが死んだらぁ..私がNo.1だもーん!No.1の『死神』...さん!」


と言い終わる前に『夜猫』は、凄まじい速さでナイフを俺に投げてくる。はぁ、そのくらいで俺に勝てると思っているのか?甘い、甘すぎるぞ。夜猫。俺は真顔でそれらを全て避けた。そして俺は『夜猫』がしそうなことを全て予測して全てカウンターを『夜猫』に食らわし続け『夜猫』はボロボロで何もできない様子だった。あぁ、『夜猫』。もっと強くなってくれ..俺を殺せるくらいになるまで。俺は半ば懇願のようなことを心の中で呟きながら『夜猫』に背を向けた。刹那、グサッと言う重い音が聞こえ俺は自分の胸の方を見た。すると俺の胸には俺が『夜猫』にあげたマチェットナイフだった。そして『夜猫』はマチェットナイフを俺の身体から引き抜いた。無論、俺は糸が切れた人形のように力なくうつ伏せに倒れた。だが、『夜猫』はわざわざ俺を仰向けにし少し起こしながら泣きそうになりながら俺に話しかける。


「みーくんっ!」


「.....お前がその呼び方をしたのは久しぶりだな..ゴフッ」


「っ!みーくん..」


「ありがとな、『夜猫』...いや夜月よづき


「....さよなら、幸せになってね?」


「あぁ」


俺は『夜猫』..夜月にそう言い俺は死んだ。夜月は何かを話していたが聞こえなかった。夜月は俺が名付けた名前だ。夜のように人に安らぎを与えて月のように人に寄り添える人間になって欲しいと思いつけた名である。俺は感情がなくただ、死にたいと言う思いしかなかった。それを分かってくれ、俺を殺そうとしてくれたのは夜月だけだったのだ。俺は夜月に感謝しながらこの世を去った。


○●○


そして俺は知らない場所で目を覚ました。すると、目の前に女性が立っていた。....俺、死んだはずなのに...まぁいいか。そして俺は考えるのをやめ、もう1回寝ようとした。


「まぁーちなされ、待ちなされ!てか、知らない場所で知らない者がいるのに良くもまぁ寝れるのじゃ!そなたは!?」


と、チョロチョロと俺の周りで騒ぎ回る女性。俺はその猛攻撃に仕方なく起き上がり不機嫌そうに口を開く。


「....なんですか、俺は死んだんですよ。もう、休ませてください」


「そうか。なら、そなたの過去を見させてもらおう!」


「....別に、減るものじゃないのでいいですけど」


と俺が言うと目の前の女性は嬉しそうに俺の記憶を見た。女性は次第に泣きそうな顔になっており、最終的には大泣きしていた。ぐずりながら「そなたの過去、酷いし悲しすぎるぞぉー!!」と言いながらうおぉーんと泣いていた。俺はどうすることも出来ずしばらくの間、困惑することしか出来なかった。数分後、女性は咳払いをし口を開いた。


「....失礼、情けない姿を見せてしもうたな。妾はネモフィラ・マリンブルー・キンモクセイじゃ!本題に入るが、そなたに妾が作った世界...アイリス星に来て欲しいのじゃ!」


とネモフィラが俺に言う。しかもネモフィラは美しいロングの純白の白髪をひらひらと靡かせ、青空のような色の目で俺に語りかけてきた。

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