少女旅行記〜全てに夢中にならない少女は旅をする〜

サスライワシ

旅行同好会 長野県

松本

第1話 少女はただ部活を作る

明里は、どんなことにも熱心になれなかった。夢中になれなかった。やる気が出なかった。

勉強は、

…そこまで頭が良い方ではなく、やる気が出ない。

部活は、

…特にうまいこともなく、すぐに退部。

友達は、

…特に話そうとしないから、友達は数人。それも、昔の時。今はいない。


ただ、唯一夢中になったことは出かけることだ。いろんなことを知れる。そんなことに、小さい頃から楽しいと思えた。


神社や仏閣、東京タワーやスカイツリー。通天閣、京都タワー、五稜郭など、行ってみたいところは様々ある。


でも、まずは地元を色々観察したい。長野県の魅力をもっと知りたい。そう思った。そして決意した。


高校で、部活を作り、いろいろなところを巡ったり、人が少ないところも行こうと。

少女の決意は大きかった。進路相談の時に、そう宣言したぐらいに。親や先生に驚かれ、心配されても。それでも諦めていない。いつか、世界のいろいろを知りに行くと。大きな夢、いや、大きな目標を立てた。こんな田舎で収まりきらないような。

そして、第一希望の松本夢ケ丘学園に合格した。

ここの高校は、全日制ではあるが、特に厳しい校則はない。制服でも私服でも大丈夫だし、スマホは休み時間は使っていいことになっている。

何より、先生の3分の2以上の許可と、顧問の先生、3人以上の部員がいれば、同好会や部活を作れる。部活は6人必要だが、そんなのは関係ない。

少女の夢は、いろいろなところに行くことなんだから。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「え、部活を作りたい?」

「(コクリ)」


今、先生と交渉中である。

※明里は基本的には無口である。


「う〜ん、どんな部活を作るの?」

「(ビシッ!)」


紙を突き出して、自分の内容を伝えた。

…何度も言うが、この少女は無口だ。


「なになに、...『旅行同好会』?なにそれ?活動内容は...有名なところへ出かける?(その写真を文化祭で売る?)」

「(コクコク)」

「う〜ん...まあいっか!よし、承認!」

「(ぱあああ)」


(はうっ、笑顔可愛い!!!)

※↑先生の心の声

「今何人の先生に聞いてきた?」

「(バッ!)」


「大体の人に聞いて...大体の人が承認しているわね!顧問とか部員とか決まった?」

「(ハッ!?)」

(ヤバい、鼻血尊い出そう)


「(ペコペコ)」

「いいのよ、行ってらっしゃい」

「(ペコペコ)」


カタン...とドアが閉まると、先生は、

「これはもう無理!!!!!萌える!!」

と鼻血を出していたそうだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数時間...いや数十分後

「えっもう集まったの?」

「(コクコク)」


集まるの早すぎない?と思っていたが、彼女たちを見るとわかった。

(あ、これやられたやつだわ)

萌えに耐えきった顔をしている。


目が合うと、

「……」

「……」

心で通じ合った。


「(?)」

首を傾げる明里張本人


「まあそういうことで、あとは通しておくわ」

「(!!ペコペコ)」

「いいのよ。顧問はわたしね」

「(ビッ!)」


(((かわいい......)))

明里張本人以外が繋がりあった瞬間であった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

☆次の日

「ということで、『旅行同好会』の設立を認定されました!」

「(ぱあああああ)」

(((今日も一段と萌えるっ!!!【グッ】)))


「ちなみに、最初はどこに行くの?」

「(バッ)」


「えーとここは...どこ?」

「深志神社と四柱神社と松本神社や松本城などね。…少しは近場を勉強しなさい」

「は〜い。…でもあんまり行ったことないな」

「(シュン)」

「!……いや、でも楽しみだな〜(汗)」

「(ぱあああ)」


(((くっ、可愛すぎる)))


「あ、そう言えば自己紹介していないね」

「(!!)」

「え~と、1年2組の桃瀬ももせきらりです。」

「1年4組の加藤雛かとうひなです。」

「(オロオロ)」


「大丈夫。みんなわかっているから」

「(ペコペコ)」

「はい!ということで、週末にみんなで、親睦会も兼ねてそこに行こうと思います!集合は北松本駅!」

「(ぱあああ)」


「ルートどうすればいい?」

「(バッ)」

「北松本駅から出発して、北松本駅⇒松本城⇒松本神社⇒四柱神社⇒縄手通り(大手通り)⇒あがたの森公園⇒深志神社⇒松本市美術館⇒松本駅の順番で行くけどいい?」

「「「OKです(コクコク)!!」」」

「明日の7時ぐらいでいい?」

「「「オッケ〜(バッ(敬礼))」」」



そうして、明日出かけることとなった。


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2024年11月24日 09:00
2024年11月30日 09:00
2024年12月13日 09:00

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