第15話ユミさんの優しさ?
夜はぐっすり寝た
普段そんなに歩き回らないから、歩き疲れて死んだように眠り、なんなら何も夢を見ないくらいに熟睡して、昼過ぎに目が覚めた
「ようやくお目覚めですか?」
「おはようございます…ユミさん……」
普段だったら、こんな時間まで寝ていようものなら、きっちり起こされて、おこごとの一つや二つや山盛り飛んでくるものなのに、なぜ?!
「朝カイリ殿下がいらっしゃいました」
「え!!!!??」
起こしてよ!!
ってか、起こすでしょ!?
「寝かせておくように、と言うご命令でしたので。外にお出になられてお疲れでしょう。お体はいかがですか?」
ユミさんが優しい!!いや。いつも優しいんだけど……ちょっと厳しいだけで……
「大丈夫です。」
だいぶスッキリ爽やか!よく寝た!!って感じ
「みさき様。」
ユミさんは改まった声色で話しかける
「街中は大丈夫かと思いますが、朝廷の場である宮廷へは行ってはなりません。それだけは心に留めおいてください」
別に行く気もないけど…
そもそも今回のお出かけも、私の意思ではないわけで…
「はい」
私はとりあえず返事を返した
「あと……カイリ殿下にみさき様の好みについて事細かに聞かれたのですが……」
なぜ?!
「ご自分できちんとお伝えになってくださいね?」
「それでは、お食事をご用意致しますので、支度を終えられましたらいらっしゃってください。失礼致します」
ユミさんはペコリとお辞儀をして去っていった
好みを事細かにって、そんなに尋問されるんです?私が上手く会話できなかったからですか?!
カイリ殿下は謎めいている
というか、言葉が少ない
昨日だって……
昨日のことを振り返ると、なんかちょっとソワソワする。だって……デートみたいじゃん?
いや!ダメだ!!意識してしまったら、また逃げ出してしまうかもしれない……
それだけは……ダメ。絶対……
もんもんと考えて、再度ベッドでゴロゴロしていると、ユミさんに今度はピシャリとたしなめられて、慌てて食事へと向かった
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