第39話



僕の合図とともに隊員たちが飛び出した。


警戒してあたりを見渡していた敵も"来たか"という顔をした。



それでも。



先頭は僕だ。

それはいつだって変わらない。

誰にもゆずらない。



「さぁ、行こうか!」



僕の声と共に隊員たちから怒号が上がる。


僕は次から次へと出てくる敵をさばいた。

最後の1人の保護指示をした隊員のため、進んで前に出る。


僕の援護をする隊員たちは、僕が取り残した敵をなぎ払いながら着いてくる。


と、そこで。






漆黒が、躍り出た。







彼とは初めて背中を合わせたのに、

僕の隣に並走し。


まるでそれが当たり前のように、

呼吸の合う連携を取った。






紅は敵の前まで行くと袖口からナイフを滑らせ、そのまま切り上げる。

僕はそれと同時に紅の後ろにいた敵を撃った。


それから僕も振り返りナイフを振りかざした。

その間に紅は僕の両隣にいた敵を銃で撃ち、再び前を向いて敵を薙ぎ払う。



「あっはは!」



何度見ても惚れ惚れする。

いや。

戦ったところを見たのは2回目でしかないけれども。



きっと何度見ても変わらない。



何度見ても、惚れ直す。




美しい戦闘がそこにあった。







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