砕鋼貫魂突覇滅天穿撃鋭破

takemoana

Prologue

 西暦二〇三八年、南極異変発生。


 運命の日Doomsdayは十月十六日だったという見方が強い。その日、世界中の観測所が南極大陸深部から発せられる異常な電磁波を検知。最初は自然現象とみなされており、現地調査隊が原因究明のため派遣されたが、すぐに通信が途絶える。


 それから数日後、突如南極の氷床に巨大な亀裂が現れ、そこから最初の『奴ら』が姿を現した。地球上の存在全てにとっての脅威であるそれは、南極全土をたったの数日で制圧した。


 およそ数カ月をかけて、『奴ら』は海上移動能力を獲得。南アメリカ大陸の南端やオーストラリアの沿岸地域に侵攻を開始。西暦二〇三九年二月七日、初めて人類の居住地が直接攻撃を受け、甚大な被害が発生する。そこからは連鎖的に数々の都市が陥落していき、各国の軍事力はことごとく無力化された。


 西暦二〇四〇年、旧国連が中心となり統合防衛機構United Defense Force──【UDF】を結成。人類の敵である『奴ら』を、国際的に一貫して【ネミスNemis】と呼称することに決定。各国の軍事力と技術を結集し、共同で新たな兵器の開発に着手。


 人類の希望は有人強化外骨格ユニット【アーコスARCOS】に託され、選ばれたストライダー操縦士によって反撃の狼煙が上げられる。


 西暦二〇四四年、UDFはアーコスとその関連技術の研究開発、そしてストライダーの育成のため、太平洋上に人工島【フォート・パシフィカ】を建設。ここはネミスとの戦いに向けた最前線の基地であり、人類の未来を守る最後の砦である。




 それから四半世紀が過ぎた。

 人類の総人口はもうすぐ十億を切り、戦いはまだ続いている。

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