異世界賢ちゃんのタケノコ魔法…アレルギー持ち忘れてた

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 タケノコ~!異世界賢ちゃんに教わった魔法は、怖かった!じゃなくて、たぶんエモかった?

   (いみエモ話)

意味がわかると、エモイ話。

あなたは、この話の意味がわかりますか?

  ☆

まわりにちやほやされてきた若者冒険者のレベルが、マックスに近付く…!

 「カンストも、近いかな?そろそろ、リアル世界に戻ろう」

 そう。

 彼は、 5年の期間限定冒険者として、剣と魔法の世界にやってきた。

 「いつか、この世界で修行して身についた力を役立てる!元いた世界にもどって、友だちに会いたい!」

 それが、彼の信念。

 修行にはげみ、いくつかのクエストもこなせた。

 思い通りになってきた、楽しい生活。

 レベル上げも、もう充分。

 が、剣術は良くても、正直、魔法関係のレベルはまだ低い。

 そこで彼は、知り合いの賢者に頼んでみることに。

 「あのさ、賢ちゃん?」

 彼は、年上賢者様のことを「賢ちゃん」と呼ぶ。

 「どうしました?」

 真面目に答える賢者も、どうなのか。

 「賢ちゃん、いや、賢者様」

 「…はい?」

 「お願いがあるんです!」

 「賢ちゃんから、賢者様になった。おだてても、何も出ませんよ」

 「賢者様!新しい魔法を、教えてほしいんです!」

 「新しい魔法?」

 「はい。世界にアレルギーを起こせるほどインパクトある、終わりなき魔法です!」

 「アレルギーを起こせるほどの…」

 「終わりなき魔法です!」

 「ほう」

 「いつまででも力を発揮できると、いう意味で」

 「ああ、そういう意味の終わりなき」

 「今の俺たち世代の個性を、出したいんです」

 「そうですか」

 「個性を!」

 「良し、ついてきなさい!」

 再び修行。

 無事に、マスター。

 元いた世界に戻った彼が、呪文の詠唱に入る。

 「復活の、友だちパワーよ!我に、終わらぬアレルギー力を与えんことを…」

 おや。

上手く唱えられたのに、彼は大泣き。

タケノコが、生えてきた。


   (この話の意味)

アレルギー世代には、恐ろしい魔法。

 唱えたとたん、地中から、次々にタケノコが生えてくる!

 「これが、俺たち世代の個性魔法?」

 終わりなき、タケノコ。

 「忘れてた…。俺は、元々タケノコアレルギー」

 それじゃ、泣くよ。

 今どき世代は、アレルギー持ち。

 異世界でも、過保護慣れに注意。

 鳥肌やじんましんが、終わることなく襲ってくる。

 「賢ちゃんのいじわる…」

 タケノコは、怖いなあ。

 じゃなくて…、エモいなあ。

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