神様転生物語~世界を創ったのは俺なので、責任を取って魔王を倒し世界を救います~

ronboruto

第1話 神様転生

俺、一条星は普通にいい生活を送っている。

大学卒業後は超優良企業に就職出来て、彼女がいないこと以外は充実していた。

先輩にも後輩にも、同期にも恵まれ、自分が成長できたと実感できる。

―――ああ、彼女が欲しい…………。

マジで出会いが無い。合コンの誘いはあれど、それが実ったことは一度もない。

帰宅途中、横断歩道を渡ろうとした時だった。

…………何か、違和感に気付いた。

勿論、殺気を読める程武術に精通していない。

いつもと何ら変わらない、普通の横断歩道。

しかし突然、それは現れた。

「……は?」

空から、青い光が降って来た。

大きい。途轍もなく大きい。

青空を隠す青が、突然現れた。

「なんだよ……これ…………」

周囲の人も騒ぐ。俺の幻覚ではないようだ。

「…………ああ、隕石なんてついてねーな…………」

自分でも意外だったが、俺は冷静だった。どう足掻いても死ぬ。避けられるはずがない。

―――だけど…………

「…………クソ…………やっぱりまだ、生きてーな…………」

光に包まれる。意識が、消えていく―――。

―――――まだ、だ…………俺は、童貞を捨てるんだ…………!


アカウント選択

――――…………エイル。

パスワード入力

―――…………urugukjauvutha1229…………。


承認。


ワールドを選択してください。

…………――――アースリア。


アカウント・エイルで転生します。よろしいですか?

―――…………OK。



「…………どこだ…………ここ…………」




 第一章・知ってるけど知らない土地

気が付くと、洞窟の前で倒れていた。

こんな場所、俺は知らない。

「ああ、もう、何なんだ…………」

―――誰か、助けてくれよ…………!

『マスター』

「誰だ⁉」

頭の中から声がした。女性の…………声?まるで、天使のような…………。

―――いや、この声、聞き覚えが…………。

「お前…………エクシアか?」

『そうです、エイル様』

エクシアとは、俺がやっていたゲームのアシストキャラだ。

知識の天使として俺を支えてくれた相棒ともいえる。

「ここは…………どこなんだ…………?」

周囲を見まわしても、全く知らない景色。

「いや…………まさか…………」

エクシアがいるということは―――。

「ここはアースリア…………なのか?」

『その通りです』

「あのゲームに、こんな機能は無かったはずなのに………俺は、あの光の後……死んだのか?」

『それはお答えできません』

…………まあ、そうだろうな。あっちの世界の事を答えろと言われても、無理に決まっている。

「なら、もしかして…………管理者権限も、そのままなのか?」

『はい。マスターの姿及び権限は、以前のままです』

「……今、姿って言ったか?」

『姿及び権限、と言いましたが』

…………と、いうことは…………

「やっぱお前かよ…………エイル!」

洞窟の湖に反射したのは美形の金髪、青い瞳の青年。姿的には中学生といったところか。

「…………クッソ、もうこれは転移じゃなくて転生だぞ…………」

『スキル一覧です』

管理者(アドミニストレータ)システムコードの使用。

使徒統者(イオラートス)配下を召喚。

収納者(アイテムボックス)無限の収納スペースを持った空間を開く。

最適者(エクシア)あらゆる知識を見ることができる。

神武錬成 オブジェクトの権限を限界値にまで引き上げる。

「本当にそのままだな…………なら、収納者…………武装」

衣服が皮鎧に覆われ、漆黒の、夜のような刀身の片手剣が背中に剣帯ごと装備される。

「よう…………ナイトプレート」

これは俺が最も愛用した剣。《絶対切断》と《一撃必殺》のスキルを持った剣だ。

「帰る方法はなし、か……よし。なら、この世界を見てまわるとするか」


この旅は、二つの世界の人々と出会う、不思議な旅になる。

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