天才悪魔ちゃんは底辺に興味があるようです

黒丸

プロローグ

この国では人と魔族が共存していた

人は魔族の力を、魔族は人の知能を求め、はるか昔に協定を結んだ

互いに、利を得るために協力し合い、国を発展させてきた


そして時は流れ、二つの種族の子孫が交わり悪魔が生まれた

知と力、どちらも得た悪魔はとても強かった

この悪魔たちは契約に従った

実力主義のこの国では、弱い事は罪だった

強い悪魔はそれを知らしめた


契約こそ守ってはいるものの、あってないようなもの

力のない悪魔は質素な生活を強いられている


それに怒りを持った人々は剣を持ち、反乱を起こした

その内乱を察知した他国は、それに乗じて攻め込んだ

力ある悪魔たちは、反乱をすぐに納めた

そして、力を見せつけるため王1人で他国の軍を鎮圧した

その姿はまるで魔王だと恐れられた


そして現在、力ある魔王は病気により退位した

だが、王の椅子は空席のままだった

力のありすぎた王の後を、継げるものはいなかったのだ

魔王は病死する間際に最後の言葉を残した



「この腕輪にある印が現れた魔王候補が、その印に合う腕輪を制御できたなら…。そいつが魔王だ」


その場面を立ち会った者は皆口を揃えていった


「やつは、死ぬまで本物の魔王だった」…と



魔王が残した一つ一つ印の違う10個の腕輪

そして、才能ある者が一定の実力を超えると現れる首の痣



魔王は死してなお、この国の民に自分の力を見せつけた














—————————————————


  旧 人と魔族の契約

  新 悪魔の法律


・この国では互いに協力し合う


・悪魔は魔法や剣などを皆で共有し合う


・悪魔は学問や武具など、知識も教え合う


・力の優劣を付け合わない


・力を仲間に使わない


・互いを高め合う

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