真実
「絶対約束だからね」
「当たり前だよ、私たち一生友達なんだから」
毎日笑顔で語り合い、何もかもを信じきっていた友はもういない。
世の中には絶対という言葉などないのだ。不変的なものはないと知ったのは、私が丁度20歳を迎える頃だった。
自分の分身のように感じていた彼女。双子のようだと言われていた存在。
そんな友がいなくなる時は一瞬のことだった。
「ずっと前から言おうと思ってたんだけど、あんたのそういうところうざい。友達してやってたのにさ」
私は何を信じればいいのだろうか。ほんの数日前まで笑い合っていたのに、その友の姿も偽りだったのだろうか。
人の腹のうちはわからないとはよく言ったものだ。人は真実を語らない。
私のことを好きだという彼も、遊びに誘ってくる彼女も、本当は私のことなど好きではないのかもしれない。
私だって、そう疑いながら笑顔で楽しいフリをしているのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます