真実

「絶対約束だからね」

「当たり前だよ、私たち一生友達なんだから」


毎日笑顔で語り合い、何もかもを信じきっていた友はもういない。


世の中には絶対という言葉などないのだ。不変的なものはないと知ったのは、私が丁度20歳を迎える頃だった。


自分の分身のように感じていた彼女。双子のようだと言われていた存在。


そんな友がいなくなる時は一瞬のことだった。


「ずっと前から言おうと思ってたんだけど、あんたのそういうところうざい。友達してやってたのにさ」


私は何を信じればいいのだろうか。ほんの数日前まで笑い合っていたのに、その友の姿も偽りだったのだろうか。


人の腹のうちはわからないとはよく言ったものだ。人は真実を語らない。


私のことを好きだという彼も、遊びに誘ってくる彼女も、本当は私のことなど好きではないのかもしれない。


私だって、そう疑いながら笑顔で楽しいフリをしているのだから。

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