第56話「パンダだぞー!」
はい、冬休みが終わって、私達は学校に行くと、パンダちゃんが転校生として元気に挨拶した。
「ニーハオ! 水無月 パンダだぞー! 今日から、みんなの仲間だぞー!」
なんでか知らんけど、パンダちゃんの苗字は私と同じになった。
本当になんでか知らんけど。
パンダちゃんの元気な挨拶を聞いて、クラス中が活気だった。
「中国人の美少女転校生が来たぁぁぁ!!」
「しかも水無月って、まさか月音の親戚か何か!?」
「このクラスに美少女転校生が二人も来たぞぉ! 宴の準備をしろぉ!」
「先生! 田中くんが息をしてません!」
わぁお、眠理ちゃん並みに騒いでるな。
そんなに美少女に飢えてたのか、このクラスは。
すると、パンダちゃんは、眠理ちゃんの存在に気付いて大きく手を振った。
「あ! 眠理が居るー! 今日からよろしくな!」
『はい、パンダちゃんと勉学ができて、私も嬉しいです』
♡♤♧♢
「さて、話をしようか月音」
「ふ、野暮な事は聞くな美咲」
「いいや聞くね! パンダちゃんって、中国から来た子でしょ? 前までは居候だと言ってたのに、なんでお前と同じ苗字になってんだよ!」
「住めば都、我が家に住めば家族になる」
としか言えない。
すると、眠理ちゃんが間に入ってくれた。
『美咲ちゃん、難しい問題を簡単に解決する方法があります』
「え? なに?」
眠理ちゃんの電動車椅子から二本のアームが出たかと思ったら、物を置くジェスチャーをした。
『それはそれ、これはこれ、これにて一件落着』
なんかもう、眠理ちゃんも、お嬢様って感じがしなくなってきたな。
眠理ちゃんのアームを見て、パンダちゃんは目を輝かせていた。
「車椅子からロボットみたいな腕が出た!? 他には何が出るの?」
『……ぽん』
眠理ちゃんの車椅子から花束が出た。
どうやら眠理ちゃんにギャグ属性があったらしい。
♡♤♧♢
「克奈克奈! 克奈って、おっぱいでかいな! どうやったら、そんなにデカくなるんだ?」
私、
職員室にまで来て何を言ってるんだ、このパンダちゃんは。
気まずい、他の教師も居る前で胸の話するなよ。
私は、その場しのぎの言い訳をした。
「たくさん勉強して頭が良くなったら知識が胸に行って大きくなるぞ(適当)」
「そうなのか!? じゃあ頑張る!」
嵐のように去っていたパンダを見送った後に教師達から拍手喝采が上がった。
「素晴らしいです如月先生! 生徒を思って、あえて嘘をついたのですね!」
「彼女は留学生だからこそ、もっと日本の文化を理解してほしいものです!」
なーんで胸の話をしたら私の評価が上がるんねん。
♡♤♧♢
「楽しかったぞー!」
パンダちゃんと並んで下校する。もうすぐ2年生になるからな。
前みたいにバンドの練習はできないが、勉強が落ち着いたら、またバンドがやりたいものだ。
『月音ちゃん、パンダちゃん、少し良いですか?』
いつの間にか目の前に現れた眠理ちゃん。
顔は寝てるけど、なんか真剣な感じがする。
『パンダちゃん、これから先、何が起こっても月音ちゃんの味方でいられますか?』
「え? そんなの当たり前だぞ?」
『……そうですか、それが聞けて安心しました』
はて? 眠理ちゃんは何を確認したかったのだろうか?
眠理ちゃんの意図がまったく分からず、私達は自宅に帰った。
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