第13話 小説は冒頭が大事
次は小説の冒頭の話をしましょう。
たまにカクヨムで見るのですが。
「第一話しか読まれません」
という嘆き。
小説のアクセス数を見ると、第一話のアクセス数が一番大きいです。これは、普通のことです。
が、二話からがくっとアクセス数が落ちる。まあ、これも普通のことです。
で、そのアクセス数を見た作者さんが、あわてて第一話を書き直します。
これ、ちょっと違います。
どこが違うかというと、第一話のアクセス数は、第一話を読んでくれた人の数ではありません。第一話のページを開いた人の数です。
すなわち、一行も読まれていない可能性が高いです。
想定される理由は3つくらいあります。
1 キャッチ、タイトル、あらすじから想像した作品と、内容や文体などの印象がちがう
2 出だし、特に一文目がつまらない
3 空行が少なく、一話の文字数が異様に多い
このうち、1はキャッチコピーとあらすじを調節すればいいのですが、問題なのは2と3です。特に3は案外あります。
十万文字オーバーの長編で、エピソードが5つしかない作品というものがたまにあります。ということは、1エピソードが二万文字もあります。
最初のエピソードを開いたら、右のスクロールバーが長い。これだけでもう、読むのやめちゃうことあります。
長くて大変というのもありますが、「そもそもこの作者、読者に対する気遣いが皆無だな」と思ったら、読む前から小説の出来も何となく想像ついてしまいます。
カクヨムでは、ひとつのエピソードの長さは、3000から4000文字が適当だとされています。
小説はなんといっても内容です。が、その内容を見てもらうには、体裁を整える必要があります。美味しい料理が出来たのなら、美しいお皿に盛るべきでしょう。
各エピソードは適切な長さにし、各話ごとにちゃんとタイトルは入れましょう。
また、書籍で読む場合は、実は行間は詰まっている方が没入しやすいのですが、PCやスマホの画面で読む場合は、適切な空行を挟み、見るからにスカスカにする必要があります。
文字でびっしり埋め尽くされていたり、テキストがべたーっと貼ってあると、読者は圧を感じますし、読みにくくもあります。
この空行にはルールはありません。セリフの前後で二行開けるのだと説いている人を見かけたことがありますが、まったくもって何のルールもないので、ご自身のセンスで空行を入れて下さい。
そして、2。
小説は内容が大事。ですが、「8万文字まで読んでくれれば面白くなります!」なんてこと言われても、そこまでのつまらない79999文字を読むほど、ぼくらは暇じゃない。
面白い小説は、一行目から面白いものです。
特に冒頭、書き出しが重要です。書き出しがつまらなくて、あとから面白くなることは、逆に稀でしょう。
空行や文字数に問題がない場合、第一話だけアクセス数が高くて、第二話からいきなり落ちるのであれば、「一行目」と「冒頭」を考え直す必要があります。
第一話全部を推敲したり、誤字脱字を直しても意味がありません。
長編小説の勝負は一行目です。
そして、そこで引き込めれば、第一話の最後までは読んでくれます。
結果として、第一話全体が面白ければ、読者はそのあともそこそこ読んでくれるはずです。
冒頭に関しては、長い物語の、どこから書き始めるかが、極めて重要です。基本、物語を最初から書き始めてしまっては、その小説は退屈なものになります。
わざわざ主人公が生まれるところから書く人はないでしょう。
また、一行目を、昭和のSFアニメのお約束みたいに、「1999年7月……」みたいに、年号から始めるのもやめておいたほうがいいでしょう。
昨今の流行りでは、主人公の最初のピンチから書き始めるパターンが多いです。
途中から。
そして、どの途中からか、そこが重要になります。
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