EVIL

柊 こころ

第1話 助けての言葉が出せない。上編


たすけて





幼い頃から使いたかった言葉。


初孫だった私を、祖母は見向きも向き合おうともしない。


私が道を逸れてしまったから。

祖母の夢を叶えられなかったから。


「アンナ、看護師になりなさい。

手に職をつけなさい。」


祖母の口癖だった。



私は何を目標に生きればいいのか

全く分からなかった。


どうしたら

おばあちゃんを喜ばせれるのか?


茶道、華道、ピアノ、バレエ

全てやる事はやったつもりなのに。



祖母は、頑なに褒めなかった。

100点を取るのは当たり前。

99点は0点と一緒。


縛られる毎日。


嫌気がさす。



更に病気まで見つかって、手術。

見放されたというか、放置状態になり

私は何を目指していたのか、全く分からなくなっていったんだ。

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