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目の前には身の丈を越える巨大な金色の
形としては何処にでもある
背格好は170センチの
白いゆったりとした衣に広がった七分丈の袖、足に沿うようなピッタリとした紺色のボトムを着ておりラフな印象を受ける。
自身の
耳を優しく撫でる歌声は未だに光が灯る事の無い悲しさを紡ぎ続ける。
ふと、
先程まで魅せていた深い闇を宿した眼とは裏腹に鮮やかな惹き寄せる
その眼を見ていると、何故だか懐かしさを感じた。まるで、初めから出会っていたかのような錯覚に運命の
どれ程見つめあっていたのか分からないが、静寂の支配権を破り捨てるかのように
「もし、この世界が初めから創造されていたらどうする? 」
「どういう意味だ? 」
「誰かの創造の中に存在することしか許されないのならば、この生に意味はあるんだろうか? 」
恐らく、もしこの世界が誰かの物語の世界なのだとしたらどうする……ということだろう。この世界は運命の一冊によって支配され、有るべき物語に導かれる定め。もし、そんな世界でしか生きる事を許されないのならば自身達の生にどんな意味があるというのか?
「人それぞれ答えは違うかもしれないが、俺ならそんな世界にも意味はあるんだと思う」
「意味? 」
「運命の一冊が語り部として統治する意味」
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