須藤組
第1話
雅side
私が百嵐に入ってから案外すぐに連絡が来た。
"9月1日から須藤組へ行け。"
新学期早々、学校は休めということか...。
しかも、いつ帰れるかはあちら次第。
お父様は須藤の頭を信用しきっているらしく、今回は私を貸してくれといわれて簡単に私を須藤組に送った。
そして、今はまさに須藤組の門の前。
何回か須藤組を訪れたことがある私はいつものように大きな門をくぐった。
「あ、...クロさん?」
「今はクロさんに頼るようなことは何もないのに、なんで呼ばれたんだ?」
私はここでは、全身黒づくめでフードを被っていて顔をまったく見せたことがないばかりか、声も発したことがない。
お父様に"赤羽 勇渚"だとういうことがバレなければいいと言われ、今の状態になりここでは"クロ"と呼ばれるようになった。
須藤組には言われた仕事をこなすだけのために来ているため、とにかく自分の素性がバレなければいい。
赤羽の裏の仕事をするときと同じように無心になって行動するのみなのだ。
「クロ、お久しぶりです。
頭があちらで待っています。」
この人は頭の側近の高城(たかじょう)さん。
いつもは仕事内容を聞いてそれをこなすだけなのだが、今回はわざわざ頭に会わなければいけないらしい。
それにしても、今日はなぜ呼ばれたのか。
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