第97話

そうして、あっという間にこの日が来た。




「ここが百嵐の本拠地ってやつか?」




俺はあれから、瑠樹が迎えに行くとしつこく言ってくるのをなんとか断った。




なんか、高級な車乗らされんだろ?


誰かに見られでもしたら、どうすんだよ。




「おお、雅!待ってたぞ〜。」




流石に勝手に入っていくわけにもいかないため、奏が外で待っていてくれたらしい。




「悪い。待たせたか?」




「んー?俺も今来たところ〜ってなんかデートの待ち合わせみてぇじゃねえか!」




「キモいこと言うなよ。」




「わー!ひどっ。俺はいつになったら雅のデレが見れるんだ!」




「...。」




そんなの期待してたのかよ。




「そこでスルー?もういい!っさぁ、着いたぞ!」




忙しいやつだな。

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