第74話

瑠樹side



「雅〜、寝んのかー?」




「...本庄、うるさい。」




「は?そう言えば雅に名前呼ばれたことなかったな!奏って呼べよー!」




「あ?分かったから、眠らせろ。」




そう言って目を瞑った雅。




やっぱり、雅の声は朱雀に似てんだよな。



だが、雰囲気がまったく違う...。




「優菜?どうした?」




蒼大が心配そうに優菜に聞いた。




「えっ?いや、何でもないよ!」




明らかに、雅のことを見つめてただろ。



つーか、比較的にここ来た時からそうだよな。





「なぁ、瑠樹。優菜のやつ雅のことが好きなのか?蒼大が可哀想なんだけど。」




奏が俺の近くに来て小さく呟いた。




「多分そうだろうな。」




「それに、雅は女嫌いって言ってたぞ。」




「...。」




それは、ここに来たくないから言っただけじゃないか?




あいつは女嫌いに見えない。




レオみたいのが女嫌いっていうんだろう。

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