第68話

優菜side




「恐くないか?優菜。」




「うん。」




蒼大はいつも私のことを気に掛けてくれる。


優しい人だ。




「やっぱ、今日もいねぇな〜。」




奏くんが頭の後ろで腕を組みながら言った。







ふと、何がが私の視界の端に映った気がした。




「帰るかー?」




「そうだな。」



今はみんな会話の方に夢中だ。





私は皆からゆっくりと遠ざかり、そしてその方向へ走り出した。





「ごめんなさい皆!」





角を曲がった先にいたのは、






いつものように真っ赤ではない朱雀さんだった。

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