視点:欄
第38話
もっとはやく対応すべきだった。そう解決しておくべきだった。そうしていれば避けられた事態。こうなることは予感していた。だから人死が起きる前にすべきだった。
ずさんな話。残念ながらこういう時危険があるとわかっていても対抗できる人間でなくてもかりだされるなんてざらにあって今回任された内容もそれは前提みたいに人を寄越してはくれなかった。要するにお前らだけでどうにかしろってことだ。
だからこの状況は想定外であり、想定内。もっとはやく異動させてあげたかった。時にあの二人は限りなく普通の一般人だ、人間だ。何か起きたら怪我をする。死んでしまう。適材適所という言葉に反している。けれど。上に掛け合う前にこうなった。
何かあれば逃げろと言ってもこうなる。人を駒として認識している人事部が最たる例だ。限りある人間を。だからこうなったのはどうもできない。
死んだら人は生き返ることなどできない。
命は有限だ、無限なんかじゃない。
誰も彼もが死を覚悟はしているけれど、避けられた死なら話は別だろう。
私は知っていただから、当時あそこだから彼らを招いたのであってここでは適さない。だから事務として転属させろと提案していた最中だった。現場を知らない馬鹿共はろくでもない。
最初から呪い代行サービスの連中など殺すつもりでやっていれば良かった。そうすれば、死傷者なんて出さずに済んだ。嫌いだ、綺麗事なんて。
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