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視点:本屋店主

第1話

 人は醜く浅ましい、見たいものしか見ようとしない、身勝手で愚かな生き物。見ないふりをしたくせに都合悪い出来事が起きるとそれのせいだ、と決めつけ納得するのだから手に負えない始末。


 見なければ存在しないのと同じと、誰かが言っていた。本当にそうだろうか?


 結局人間というものはそういうものだ。自分の尺度で物事を語る。


 しかし残念ながらそういうものは確かに存在し、人間の生活を時に脅かしている。


 私達、民間組織:怪異事案対策専門機構こと怪異宅配便はそのためにここに居る。困っているならば、必要とするならば。解決する手段も選らばない。利用できるものはすべて利用する。それが例えなにものであっても。犠牲を払うことになっても。


 前もってひとつ言っておくが自業自得の出来事を私達は救けてやる程優しくはない。負うべき責はあなた自身が取らねばならない。


 それが理念だ、教義だ。


 『目には目を、悪には悪を。毒には毒を。怪異には怪異を。神には神を。』


 安全を脅かすものは何人たりともゆるしはしない。無償の救いなどこの世にありはしない、と。


 それからこれだけは言っておく。

 

 救けを求めるのならばすべからく包み隠さずすべてをあなた方は話すべきだ。でなければ救けられるものの救けられないのは道理だろう?

 隠し事があったなら然るべき対処を私達はすることになるであろうと。

 

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