第19話 こんなはずじゃなかったのに!
――あ~、よく寝た〜。
そう思いながら私が目を覚ますと目の前には二兎の顔があった。
びっくりして思わず飛び起きる。
窓の外を確認するとすっかり日が暮れていて夜。
ちょっと、今何時!?
慌ててスマホを確認すると、夜の8時になっていた。マジか〜...。
スマホにはお姉ちゃんからのメッセージも何件か来ていた。
“愛、今どこ?”
“今日の夕飯どうするの?”
“家で一緒に食べるって言ってたよね?”
“とにかく無事なのか連絡して!”
うぅ、申し訳ないとも思うけど、正直ちょっとめんどくさい...。
まぁ心配してたら悪いし、電話するか。
プルル...
お姉ちゃんはワンコールで電話に出た。
「愛!!!今どこにいるの!?」
「お姉ちゃん、今二兎の家にいるよ〜。なんか昼寝してたら寝すぎちゃってさ。」
「え、二人で?」
「うん、まぁ...」
「あらまぁ、なかよしね〜♡」
「そういうのやめて!5分で起こしてって言っておいたのに二兎のやつ一緒に寝てて最悪だよ...」
「えっ!もしかして一緒のベッドで寝てたの?きゃ〜♡♡♡急展開ね♡♡♡」
「うっ、別に何もしてないからね!本当に眠ってただけだから!!!」
「そんなことより、今日の夕ごはんどうする?私まだ食べてないんだけど、3人で食べる?」
「あ~、昼ごはん食べてからほぼずっと寝てただけだから、お腹空いてないんだよね...。」
「え〜、私一人で食べるのさみしいし、愛がごはん作ってくれると思ってたのに〜!」
「お姉ちゃん、もしかして私のことよりも自分の夕飯の方が心配だった...?」
「そっ、そんなことないわよ!」
「待っててもらったのに悪いけど、今日は夕飯は別々に食べよう。隼人さんに連絡してみたら?」
「うーん、じゃぁそうしようかな。そもそも愛と二兎の二人の時間を邪魔しちゃいけないもんね♡」
「だからそういうんじゃないってば〜!」
「はいはい、あっ、今日はそのまま泊まってきちゃえば?」
「いやいやいや!!!」
「そんな照れないの♡じゃ、そろそろ切るわね〜、またね♡」
ガチャッ、プーップーッ...
くそぅ、なんか変な誤解されたまま切られた...
そもそもなんであいつはちゃっかり一緒に寝てるのよ!!!
ベッドを見ると二兎はまだ寝ていた。
ていうか、私さっきまで結構大きめの声でお姉ちゃんと話してたのによく寝てられるな...
「ちょっと二兎!約束が違うじゃない!!!」
布団を引っ剥がして二兎を起こす。
「う〜ん、あと5分...」
「あんた、今何時だと思う?夜の8時よ!!!」
「お〜、愛、おはよう〜」
「おはようじゃない!なんであんたも一緒になって寝てるの!?しかもベッドにまで入ってきてるし...!」
「愛の寝顔見てたらやっぱり俺も眠気に勝てなくなっちゃった☆まぁ今日は休みだし、朝にはなってなかったんだからいいだろ?」
うーん、たしかに二兎の言うこともちょっとわかるかも...
私、普段仕事が休みの日ってほとんど寝てるしな〜。
いや、でも今はそういう場合じゃなかった!!!
「いや、私たち今日は大事な話してたよね?」
「大事な話???」
「二兎、それマジで言ってる...?」
「いや、冗談だって!しかたねぇ、話してやるとするか〜。」
「二兎、あんたがやる気のない奴なのは百も承知だけど、とにかく今日中に全部話し終わらせてね!話し終わるまで夕飯抜きだよ!!!」
「それは勘弁してくれよ〜!!!」
「私だって早くすっきりして夕飯食べたいわよ!」
そう言いながら、私は二兎を座らせてから正面に陣取った。
もはや取り調べみたいな感じになってるけど、全部二兎のせいだ!!!
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