第22話
安心しきった私の耳に、「もしもーし」と同時にドアがノックされた。
「お取り込み中だったら悪いんだけどー」
ドアの向こうの声に、過剰に反応する。
「うわ!!」
「いっ…て!!!」
咄嗟に、上にいる瞬を勢いよく押し退けた。
「お母さん起きてるわよ」
ドア越しに優子さんが「バレないように出てきなよー」と小さく告げた。
そしてパタパタと足音が遠退く。
「なんで姉貴が知ってんの?」
さっきの衝撃で打った肩を押さえる瞬。
「えーっとー…」
苦笑いしながら経緯を話す。
予想はしていたが、瞬からは「マジかよ!!」と飛んできた。
「姉貴にだけは一番知られたくねー!」
「でもね!優子さんが気を利かせてくれたんだよ」
瞬は髪をワシャワシャとかき乱し、「それが嫌なんだよー….」と眉を寄せた。
「ぜってー面白おかしく言われる」
「そーかな?」
「そーに決まってる」
ぶつぶつと「最悪だー…」と漏らす瞬に、私は「んー」といまいちな声を出した。
姉弟だからなのか、なんとなく察しはついている。
けど私は、「でもさ」と感じた事を述べた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます