第13話

優子さんの言うイチャイチャ…とまでは言わないが興味がない事はない。


ただ。


単純に触れたいと思って触れた手を拒まれ、これ以上どうやって先に進めば良いのかわからない。


瞬に聞きたいくらいだ。


私からはもう何もする勇気もない。




「どーなんですかね」


苦笑しながら「おやすみなさい」と、私は部屋へ戻った。




綺麗に敷かれた布団。


そこへ倒れるように突っ伏す。




あれからずっと瞬とは目を合わさないようにしていた。


目が合えば、みっともない自分に気付いてしまうから。


触れたいと思っただけなのに。


瞬はそうではなかった。


同じ気持ちだと心の奥底で期待してしまっていた自分が恥ずかしい。


付き合うってなんなのか…もうわからなくなっていた。


こんなに近くにいるのにすごく遠く感じた。



気付けば顔を埋めていた枕は涙で染まっている。




気にもとめずグリグリ顔をうずめていると、コンコンとノック音が響いた。


涙を拭いて返事をすると「入ってい?」と、ドアの向こうから届いてきた。


その声に私は慌てて飛び起き、思わず正座をする。


「どーぞ」


ゆっくりドアから顔を出した瞬は「寝てた?」と、伺った。

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