第4話

「ちょっと座るか」


瞬が腰を落とした先は、いつかの河川敷。


ここで瞬に"好きだよ"と告げられた。




「家…うまくやってんの?」


瞬の隣に腰を落とす。


「うん。やってるよ」


「そーか」


家に戻った生活は楽しく過ごせている。


「なんかあった時はいつでも帰ってこいよ」


瞬が優しく微笑み、私の頭に手を置いた。


私は少し俯き「…うん」と赤くなった顔を隠す。




そこで、ワン!と向こうでじゃれ合っていた信長と秀吉がこっちへ迫ってきた。


「お?」


せっかく良い雰囲気だったのに…と心の中で肩を落とした。


「どーしたお前らー」


全速力でこっちへ駆け寄る信長と秀吉。


テンションがハイなのか信長と秀吉のスピードは加速する。


危険を察知した瞬は、「て…おい!待て待て!!」と身を後退させた。


「あぶっ…」


そのまま信長と秀吉は瞬に飛び付いた。



体勢を崩した瞬は「…ねー」と、強く閉じた瞳をゆっくり開けた。


目と鼻の先の距離にある瞬の顔に、私は息を呑んだ。


瞬も瞬きをせずにこっちを見てる。


ドキン…ドキン…と鼓動が高鳴る。




このまま…と期待した私に、「わりー」と瞬はパッと離

れた。



足元には信長と秀吉がくっ付いている。



「帰るか」



立ち上がった瞬に「…うん」と私は表情を曇らせた。

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