行動せぬ者に、文句は言えぬ

星咲 紗和(ほしざき さわ)

本編

選挙のたびに街中が騒がしくなり、選挙カーが走り回り、候補者が街頭で政策を訴える光景を目にすることが増えます。これらの活動が活発になると、改めて「本当に多くの人が投票に行っているのだろうか?」と考えさせられます。特に若い世代の政治への関心がどれほど高まっているのか、それともまだ低いままなのか、気になるところです。


現実を見ると、依然として若い世代の投票率は高くありません。そのため、政治の主導権を握るのは高齢者であり、結果的に「高齢者による高齢者のための政治」が続いていると感じます。あるいは、甘い汁を吸う特定の役人たちが無駄な公金を使い続ける構図も変わらず、これに疑問を抱く人も少なくありません。しかし、それに対して文句を言うだけで何もしない人たちも多くいるのが現実です。


選挙の時期が来ると、メディアやSNSで政治に対する不満の声があふれます。「政治家は信じられない」「誰がやっても同じだ」「どうせ何も変わらない」といった声が飛び交い、政治に対する不信感が漂います。確かに、選挙の候補者たちが述べる政策の中には、実現性が乏しいものもありますし、耳障りの良い言葉だけで中身がないものも少なくありません。ですが、そのような政治に対する文句を言うだけで行動を起こさないのは、自己矛盾としか言いようがありません。政治に不満があるならば、せめて投票に行くことが大切です。


ここで大事なのは、「自分の意思を示す」ことです。投票は、自分の意見を表現する数少ない機会の一つです。選挙権を行使しないという選択は、意見を放棄することに他なりません。意見があるならば、それを行動で示すことが重要です。行動しない人には、結果に対して文句を言う資格はないと私は思います。


もちろん、全員が必ずしも選挙に行けるわけではありません。事情があってどうしても投票に行けない人もいます。しかし、関心を持たないまま、選挙に行かずに文句を言っているだけの人もいることは明らかです。政治に対して文句を言うのは自由ですが、その文句を裏付ける行動がなければ、それはただの愚痴に過ぎません。変えたいならば、そのための手段として投票を選びましょう。


また、選挙において大切なのは、既成概念を捨てることだと私は考えます。私自身も過去には、親や周囲の影響、メディアの報道に左右されて特定の政党に偏見を持っていたことがありました。しかし、そのような偏見がどれほど自分の視野を狭めていたか、後になって気づきました。それ以来、自分の目で見て、自分の頭で考えることの大切さを痛感しています。選挙に関しても、他人の意見に流されるのではなく、自分の価値観に基づいて選ぶべきです。


政治の話題が出ると、「どうせ自分一人が投票しても何も変わらない」という意見を耳にすることも多いです。しかし、これは誤解です。選挙結果は、少数の票差で決まることもあり、そこに自分の一票が加わることで結果が変わることもあります。さらに、投票率が上がれば、それだけ政治家も国民の意見に耳を傾けざるを得なくなります。私たちが投票に行かなければ、私たちの意見は反映されず、政治は変わりません。それが現状の問題の一因でもあるのです。


私自身、政治についてはまだまだ勉強が足りないと感じています。実際にどれだけの政策が実現するのか、本当に候補者たちが約束を守ってくれるのか、疑問に思うこともあります。しかし、それでも自分なりに考え、投票先を選んでいます。理想的には、すべての政策が実現してくれることを望んでいますが、現実的にはそうはいかないでしょう。それでも、どの候補者が自分の価値観に近いのか、誰が少しでも世の中を良くしてくれるのかを考えて選ぶことが大切だと信じています。


結局のところ、行動しなければ何も変わりません。私たち一人一人が「自分は変えられる」という意識を持って行動することが大切です。投票は、誰かに強制されてするものではなく、自分の意思で行うものです。そして、それが積み重なったときに、社会全体が変わる可能性が生まれるのです。


「行動せぬ者に、文句は言えぬ」。この言葉を胸に刻み、一人一人が自分の意見を持ち、行動することが大切です。特に若い世代がもっと関心を持って、選挙に参加することで、より公正でバランスの取れた社会が実現するでしょう。文句があるなら、それを行動で示し、自分の未来を自分で決めましょう。

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行動せぬ者に、文句は言えぬ 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92

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