第73話
休学中の1週間、私は充実した時間を過ごし、晴れ晴れした気分で登校した。
出掛けに見たテレビで、また一人クラスメートが亡くなっているのを知った。
塾に通っていて、一階にある飲食店が何かの理由で爆発。
上の階にいた塾の生徒にも夥しい犠牲者が出た。
そのうちの一人として名前が読み上げられていた。
「おはよう」
教室に入ると皆が私を見る。
どんよりした雰囲気の中、驚きの視線を私に注ぐクラスメート達。
楓達も私のことを見て驚いていた。
また一人死んだのだからもう普通ではいられないだろう。
誰もが精神を呪いに支配されてくる。
「若宮さん……どうしたのそれ?」
「っていうかカッコいい」
私が席に着くと西部美里と武藤くるみが側に来る。
「ありがとう」
笑顔で返したときに二人の表情が固まった。
「へー。イメチェンしてんじゃん」
楓だ。
「別に」
私は立ち上がると楓に返した。
こうして見ると私と楓の身長なんてほとんど変わらない。
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