太陽にほえるな!

羽弦トリス

第1話一人目の殉職

チリリリン、チリリリン。

「はい、こちら名宝警察署!……何?強盗?分かった。すぐ向かう」 

電話を取ったのは、名宝警察署捜査一課長のボスは電話を切り、現場の指揮を取った。


「おい、粉チーズ!」

「はい」

「東区で、銀行強盗だ!現場に向かってくれ!」

「えっ、僕だけですか?」

「じゃ、メロンパンと向かってくれ」

「メロンパン!どこだ」


メロンパンは、ハンバーガーを食べていた。

肥満体の刑事。

「メロンパン、粉チーズ刑事と現場に向かってくれ!」

「ちょっと、昼メシ食ってるんで」

「良いから、粉チーズと現場に迎え!」

「は〜い」 


車の中。

「メロンパン!防弾チョッキは着てきたか?」

「いいえ」

「強盗だぞ!甘く見るな」

「ついまて〜ん」


現場は騒然としていた。

犯人は、ライフルを持って銀行に立て籠もっているらしい。

特殊部隊もスタンバイしていた。



「粉チーズ刑事、犯人がコレを要求してきました」


と、警官はメモ書きを渡した。

「何々、1億円とヘリコプターか?」 

「分かった。交渉してみる」


粉チーズ刑事はメロンパン刑事にメモ書きを見せた。

「先輩、これは私に任せて下さい」

「どんな手だ?」

「まぁ、見ていて下さい」


メロンパン刑事は立て籠る、銀行のインターホンを押した。


パン!パン!



「うぎゃー!」

「大丈夫か?メロンパン」


メロンパンは胸と腹を撃たれていた。

「せ、先輩!最後にホットドッグを食べたかった」

ガクッ


「おい!メロンパン!死ぬんじゃな!」


「まだ、死にませんよ!」

「だ、大丈夫か?メロンパン」

「これで、最後です。ボスに宜しくお伝えしますくだ……」

ガクッ


「メロンパーン!何で死ぬんだ!死ぬな!」


「大丈夫ですよ!」

「こんなに出血してるじゃないか?大丈夫なんだな!」

警官がホットドッグを持ってきた。

「あっ、ホットドッグ!食わせて下さい!」

「ほらよ!早く、救急車に」


「ゴホン、ゴホン」

「どうした?メロンパン」


「の、喉にホットドッグが〜」

粉チーズ刑事は、メロンパン刑事の背中を、叩いた。

しかし、ホットドッグは喉に詰まったまま。

そのまま、メロンさは殉職した。


メロンパンは、弾は急所を外していたが、ホットドッグで命を失った!


メロンパンよ永遠に。享年25歳。

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