第二話 ランクアップ
物置から出るとあたり一面に草原が広がっており、見上げると星々が点々と輝いていた。因みにこの空は偽物らしい。
「15階層に居るみたいやからまずはそこに向かうで」
まずはソラの理想の人に会うべくケンさんの案内に従い着いていく。道中何事もなくただ歩き続けるだけだったので自身のステータスを確認しステータスポイントを振ることにした。
魂核値 :I
名前 :ソラ・キサラギ
種族 :鎧人形
レベル :1/100
攻撃 :52(6,000)
魔力 :46(5,200)
物防 :68(5,600)
魔防 :65(5,500)
俊敏 :27(5,800)
精神 :42(3,500)
スキル :【装備】
装備 :【勇者一行シリーズ】
SP.100
気になる魂核値とは魂の位階を表し数字が大きければ大きいほど種族としての性能が優れていると言われる。低い方からI〜Xがあり、その上XXも存在している。lv.100区切りで魂核値が上がり魂核値が上がるとレベルは1に初期化されるが初期ステータスが跳ね上がる。その代わりレベルが上がりにくくなる。
とりあえず、精神に100振っておく。
「なんでよりにもよって精神なんねん?まぁ、上がりにくい項目ではあるんやけど」
「最後にモノを言うのは精神力ですよ。いくら強くても状態異常にかかってしまえばステータスが下がってしまう。それにその他ステータスに関しては装備で補えば良いですからね」
今後もレベルが上がるごとには必ず精神に全振りすることにする。ちなみにステータスポイントはレベルが一つ上がるたび100ポイント得ることになる。
そんなこんなやっていると2階層へと続く転移ゲートに到着した。地面には円形の幾何学模様が描かれておりソラたちはその上にのる。すると景色が歪み一瞬にして洞穴のような場所へと移動した。
天井から光が漏れ幻想的な景色が広がっている。
湿気がすごいなと感じている時、目の前に青い丸みを帯びたゼリー状の様なものが這いずり回っていた。そう、スライムである。
「魂核値Iの雑魚モンスターやな」
ソラは背に担いでいた大太刀【星斬り】を抜きスライムめがけ振り下ろした。
次の瞬間轟音が鳴り響きスライムがいたであろう場所に大きなグレーターが出来上がっていた。
「オーバーキルですね」
「せやな。さすが勇者一行の装備や。総合的なステータスで言ったら今の主人殿はVI《ゼクス》並の力はあるで」
よし!これからはデコピン縛りで行こう。
その後もスライムを倒しつつ気がつけば10階層へ続く転移ゲートに到着していた。次の階層へ移動すると目の前には巨大な扉が佇んでおり雰囲気からしてボス戦だろうとソラは予測する。
案の定中へ入ると黒く光沢を帯びた巨大なスライムが鎮座していた。一応ケンさんに鑑定の魔術にてステータスを確認してもらう
魂核値 :IV
名前 :ーーー
種族 :
レベル :99/100
攻撃 :520
魔力 :1058
物防 :1385
魔防 :1045
俊敏 :9440
精神 :52
スキル :【金属操作】
SP.0
「キュルル!」と鳴いた瞬間スキル【金属操作】による体内から射出された黒い刃がソラへ目掛け飛んでくる。
「よっと」とかわしソラは金属スライムに目掛け星斬りを振り落とし真っ二つにした。しかし、瞬時に再生されたため効果はない様だ。
「ここはワイに任せい!」
ケンさんは世界神樹の魔杖を宙に浮かせ前へと突き出す。
「第三階梯炎属性魔術【三連炎槍】」
梵字の様な文字が羅列し赤く発光した瞬間空の目の前に巨大な炎の槍が三つ現れスライムへと向かい爆散した。
煙が晴れるとそこには黒い液体が入った瓶が転がっていた。
「これは?」
「粘金やな」
ケンさん曰く希少級のドロップアイテムとのこと。粘度の高い金属物質で魔力との親和性が高く魔力による遠隔操作や造形変化が可能。また、込める魔力量に応じて粘金の量が増える。錆びやすいのが特徴的。スキル【装備】の力にて粘金を収納空間に保管した。続いて周囲を照らす虹石なるものも回収した。長い年月をかけ膨大な魔素を吸収した魔鉱石。世界一硬く、永遠に劣化することのない幻の素材らしい。【神話級】の武器、防具を作成するには虹石が必須とのことだ。いずれ必要になるかもしれない。
『魂核値がIからIIへと上がりました。ステータスが初期化されます」
どうやらケンさんの攻撃でも経験値は取得するらしくまたもや脳内で無機質な声が響いた。
「さて、もうすぐですね。どんな人なんでしょうか。楽しみですね」
ソラは新たな出会いに期待を膨らませつつ先へと進む。
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