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 父さんは冷静な表情で言った。


「それはボクたち親が必ず買ってあげなきゃいけないものであって、プレゼントに欲しがるものじゃない。他に欲しいものはないの?」


「うん……」


「そっかあー。そうだ、タビトは知らないと思うけど、昔のどうぶつの森……とびだせどうぶつの森だと、クリスマスイベントが死ぬほどめんどくさくてねえー」


 いきなりなんの話を始めたのか。母さんがノートパソコンのエンターキーを叩く「……ッターン!」という音が響いた。


「じゃあそろそろ夕飯にしましょうか。きょうはふつうにキャベツのおひたしと焼き魚です」


「そういうお夕飯がいちばんおちつくー!!!!」


 清少納言が嬉しそうな顔をして、それから真顔で「とびだせどうぶつの森ってなに?」と父さんに聞いている。わけがわからない。とにかく母さんが魚を焼き始めた。マロが駆け寄ってきてソワソワしている。(つづく)

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