12/19
父さんは冷静な表情で言った。
「それはボクたち親が必ず買ってあげなきゃいけないものであって、プレゼントに欲しがるものじゃない。他に欲しいものはないの?」
「うん……」
「そっかあー。そうだ、タビトは知らないと思うけど、昔のどうぶつの森……とびだせどうぶつの森だと、クリスマスイベントが死ぬほどめんどくさくてねえー」
いきなりなんの話を始めたのか。母さんがノートパソコンのエンターキーを叩く「……ッターン!」という音が響いた。
「じゃあそろそろ夕飯にしましょうか。きょうはふつうにキャベツのおひたしと焼き魚です」
「そういうお夕飯がいちばんおちつくー!!!!」
清少納言が嬉しそうな顔をして、それから真顔で「とびだせどうぶつの森ってなに?」と父さんに聞いている。わけがわからない。とにかく母さんが魚を焼き始めた。マロが駆け寄ってきてソワソワしている。(つづく)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます